Column
Title
秋になると疲れやすい?寒暖差と自律神経の関係|薬剤師・鍼灸師が教える秋の養生
朝晩は少しずつ涼しくなり、秋らしさを感じる季節になりました🍂
一方で、日中はまだ暑い日もあり、朝晩との気温差が大きくなるこの時期。
「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「なんとなく身体がだるい」「肩こりや頭痛が増えた」「寝つきが悪い、夜中に目が覚める」
そんな不調を感じていませんか?
実は、こうした秋の不調には、寒暖差による身体への負担や、自律神経の働きが関係していることがあります。
今回は、薬剤師・鍼灸師の視点から、秋に起こりやすい不調と、東洋医学を取り入れた養生についてご紹介します。
私たちの身体は、外の気温が変わっても体温を一定に保とうとしています。
暑いときには汗をかいて熱を逃がし、寒いときには皮膚の血管を収縮させるなどして、体温を調節しています。
この体温調節に関わっているのが、自律神経です。
自律神経には、活動時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経があり、状況に応じて身体のさまざまな機能を調節しています。
朝晩と日中の気温差が大きいと、身体はその変化に対応する必要があります。
寒暖差そのものが必ず不調を引き起こすわけではありませんが、睡眠不足や夏の疲れ、生活リズムの乱れなどが重なると、疲労感や睡眠の不調を感じる方もいます。
東洋医学では、季節と身体の働きには深い関係があると考えられています。
秋と関係が深いのが、五臓のひとつである「肺(はい)」です。
東洋医学でいう「肺」は、現代医学の肺という臓器だけを指すものではなく、呼吸や皮膚、身体を守る働きなどを含む概念です。
秋は空気が乾燥しやすく、のどや鼻、皮膚の乾燥が気になる季節。
東洋医学では、こうした季節の変化に合わせて、潤いを保ち、無理をせずに過ごすことを大切にします。
また、夏の暑さで消耗した状態が残っていたり、胃腸の調子が落ちていたりする方もいます。
そのため、秋の養生では「潤すこと」「冷やしすぎないこと」「十分に休むこと」を意識してみましょう。
朝起きたら、白湯や温かいお茶を一杯。
冷たい飲み物ばかりになっている方は、温かい飲み物も取り入れてみましょう。
身体を温めることだけにこだわらず、気温や体調に合わせて無理なく選ぶことが大切です。
日中は暑くても、朝晩は肌寒く感じる日があります。
薄手のカーディガンやストールなど、脱ぎ着できるものを用意しておくと便利です。
特に冷房の効いた室内で長時間過ごす方は、身体が冷えすぎていないか意識してみてください。
忙しいとシャワーだけで済ませてしまいがちですが、心地よい温度のお湯につかる時間を作るのもおすすめです。
入浴は身体を温めるだけでなく、気持ちを切り替える時間にもなります。
熱すぎるお湯や長湯は身体への負担になることもあるため、体調に合わせて調整しましょう。
秋は、梨・れんこん・きのこ・さつまいもなど、おいしい食材がたくさんあります。
東洋医学の食養生では、梨や白きくらげ、百合根などは秋の潤いを意識した食材として親しまれています。
また、胃腸が疲れているときは、温かいスープや煮物など、食べやすい料理を選ぶのもよいでしょう。
特別なものをたくさん取り入れるより、毎日の食事を無理なく整えることが大切です。
秋は日が短くなり、生活リズムも変化する時期です。
寝る直前までスマートフォンを見続けたり、夜遅くまで仕事をしたりしていませんか?
寝る前は照明を少し落とし、ゆったり過ごす時間を作ってみましょう。
毎日できるだけ同じ時間に起きることも、睡眠リズムを整えるうえで大切です。
「肩や首がずっと緊張している」
「疲れが抜けない」
「眠りが浅い」
こうしたお悩みに対して、鍼灸を取り入れる方もいらっしゃいます。
鍼灸では、肩や首の筋肉の緊張、身体の冷えの感じ方、睡眠や胃腸の状態などを確認しながら施術を行います。
鍼灸がすべての自律神経症状を改善するわけではありませんが、慢性的な首・肩の痛みなど、一部の症状に対して研究が行われています。
Maika’i漢方では、その日の体調やお悩みに合わせた鍼灸施術をご案内しています。
東洋医学では、同じ「疲れやすい」というお悩みでも、身体の状態を分けて考えます。
例えば、
気虚(ききょ)
元気が出ない、疲れやすい、食欲が落ちているなど、東洋医学でいう「気」の不足を考える状態。
気滞(きたい)
ストレスや緊張を感じやすい、胸やお腹が張る、気分がすっきりしないなど、「気」の巡りが滞っていると考える状態。
血虚(けっきょ)
顔色が悪い、めまい、皮膚の乾燥など、東洋医学でいう「血」の不足を考える状態。
こうした分類は東洋医学独自の考え方であり、医学的な診断名ではありません。
実際の漢方相談では、疲れの程度だけでなく、食欲、睡眠、冷え、月経の状態、服用中のお薬なども確認しながら、漢方薬が適しているかを考えます。
「疲れているからこの漢方」と一律に決めるのではなく、今の身体の状態を知ることが大切です。
夏の暑さを乗り越え、ようやく過ごしやすくなってきた秋。
でも、身体の疲れはすぐには抜けないこともあります。
忙しい毎日の中で、少しだけ自分の身体に目を向けてみませんか?
Maika’i漢方では、薬剤師による漢方相談と、鍼灸師による施術を通して、一人ひとりの体調や生活に合わせたケアをご提案しています。
「なんとなく調子が悪い」
「疲れやすさが続いている」
「自分に合う養生法を知りたい」
そんな方も、どうぞお気軽にご相談ください。
なお、疲労感やめまい、動悸などが続く場合には、貧血や甲状腺疾患など、治療が必要な病気が隠れていることもあります。症状が強い場合や長引く場合は、医療機関での確認も大切です。